サックスの藤原大輔が、ベースの井野信義とドラムの外山明をメンバーにむかえ2012年より活動している本トリオが、6年の歳月をかけて到達した境地を収録した1stアルバム。本作は、藤原のオリジナル・アルバムとしては「白と黒にある4つの色(2003)」、「Jazzic Anomaly(2004)」から続く 【表象音楽】 と 【インプロビゼーション】 をテーマにしている。それぞれの楽曲は、南米文学の偉人たち、ガルシア・マルケス、ファン・ルルフォ、ロベルト・ボラーニョなどの小説で描かれている情景や登場人物から想起されたメロディーを元に作られた。
スペイン語圏の物語に顕著に現れる土着的な死生観が、幻想と現実のゆらめき(=マジック・リアリズム)として表現されている様は、篠笛や琵琶などで演奏される純粋邦楽にも通じるいわゆる「間」となって本作品の骨格となっている。
現代音楽的でポビュラー音楽の枠組みを超えたメロディーと、ビートやグルーブにさえ固執していないかのような自由なドラミング、そしてすべてを受け入れる奥行きと透明感のあるベースは、南米文学に通じる「あるはずのないものへの尊敬」を介して、リズムの隙間に存在する静寂、呼吸、といった物の有様そのものを表現するかのような静的でありながら温度の高いサウンドを創造し、ドメスティックな土壌に生まれる新しい音楽の可能性を示唆する。
レコーディングおよびミックスのエンジニアには、ジム・オルークや前野健太などとも親交の深いジョー・タリアを迎え、2018年の8月に神保町の試聴室にてライブ・レコーディングされた。カバー・アートは惜しくも解散がアナウンスされたsakanaのギターリスト/イラストレーターの西脇一弘。
SXQ saxquintet
松本健一 matsumoto kenichi soprano sax
立花秀輝 tachibana hideki alto sax
藤原大輔 fujiwara daisuke tenor sax
吉田隆一 yoshida ryuichi baritone sax
木村昌哉 kimura masaya soprano & tenor sax
2006年9月11日 横浜リリスホールにて収録
1 ハルノウミ harunoumi 8’49”
2 1月~2月 January-February 8’20”
3 頭ン中 in your head 9’39”
4 水,サイコロ water, dice 3’01”
5 「百年前ここは水田だった」100 Years Ago, Here Was A Rice Field 3’13”
6 速い ”何か” sometihng fast 4’20”
7 5月 May 6’04”
8 ハルランマン haruranman 6’21”
9 Time to Kill 8’19”
All composed by matsumoto kenichi
Body Electric Records (EWBE 0023) 2007
quartz-head serieの第3弾は”01″のゲストパフォーマーであったオマール・ゲンデファルとコンビを組んだ”05″。05といえば「レッドファイブ」のマンセルですかね。早いものでナイジェル・マンセルが赤文字のカーナンバー5番でワールドチャンピオンになったのはもう10年も前。知らない人も沢山いるんだろうなー。それにちなんで、ということではないですが、ジャケットもちょっと赤っぽくなってますな。ジャケには今回のメインマシンであるTR-808の基盤でございます。オタだねぇ。
うっすら見えている文字はオマールの歌っている歌詞です。そう、今回はオマールの歌が全面的にフィーチャーされております。彼の歌はあたりまえのことがあたりまえでなくなってきている昨今に強烈な光りを放っています。シンプルで力強いです。
そしてダブミキサーとしてicchieが参加してくれました。いままでのミックスとは方向性が違います。いってみれば、内から外へ。quartz-headをやっていて他ジャンルのアーティストとコラボさせてもらい、今まで漠然と「常識」だと感じていたことが偏見や思い込みにまみれていることに気付かされることが多かったです。そういうことで、今回のタイトルは”re-gions”。その瞬間の決断をしなきゃいけないのはやっぱり自分以外にはいない。その自分という領域ですら本当はあやふやでなんの根拠もない思い込みでできている。それでも自分はある。regionとregionの境にはなんにもないのに、区別をしなきゃいられない。もはやこういう思考でさえありもしないある領域にとらわれている気がしてくる。
もうそういった領域はこのさい全部有ることにしてしまって、全部受け入れてしまえたらいいんじゃないか。と感じてます。難しいことだけどね。
SUBMERGE RECORDINGS (SUBJPDVD-001) 2006
submergeのジャパンツアーがDVD化!彼等と過ごした時間が映像で甦ります。ボーナストラックになっているメタモルフォーゼ05のhi-tech jazz。思い出すだけで、こちらも遠くを見つめてしまいます。
みんなはあんなふうにステージを熱く見守っていたのだね。。襟をただしてこれからも精進するよ。頑張る。やるしかないぞーっ!(号泣)
冗談はさておき、
あのステージの後、伊豆のキャンプ場で彼等と語らいました。気持ちの良い朝で、話しの具体的な内容よりも伝わってくるグッド・バイブレーションを強く思いだします。なにをかくそう、その時のイメージが今度のquartz-head 01収録 “chief talks what you’ve got”に反映されています。
心から「この人は自分のボス(chief)だ」と思えるような人物にはめったに出会えるものでもありません。でも出会ってしまえばそれは分る。このライブを体験した人の多くは、そんな感覚を色々なチャンネルで受け取ったに違いありません。そして伝わったバイブレーションによって自分がこの世に居て生きていることをポジティブに実感することができた。音楽はかくあるべし。そう思います。
D
SUBMERGE RECORDINGS (SUBJPCD-008) 2006
2005年夏フェス・ハイライト
もはや伝説ともなりつつある2005年2月13日のリキッドルームにおけるサブマージ軍団によるライヴ公演。マッド・マイク率いるGALAXY 2 GALAXYが、ジェラルド・ミッチェル率いるLOS HERMANOSが、そしてミスター・デー率いるELECTROFUNKがそれぞれに強烈で最高のパフォーマンスを行ったことは今や語り草となっているのはご存知の通り。中でもGALAXY 2 GALAXYによって超名曲「Hi-tech Jazz」が演奏された時の盛り上がりはまさに尋常ではなかったことはこのCDによって証明される。そんな最高のステージから各アクトの名演4曲づつ計12曲を収録した初めてのライヴ・アルバム堂々のリリース!!!
Submerge (SUBJPCD-004) 2005
Mad MikeことMike BanksがJeff Millsと共に立ち上げたUR=Underground Resistance。JeffのUR脱退後、Mikeが一つづつ積み上げて来たDetroit Technoの名曲達。その間10年。一曲一曲に込められた強いメッセージが、それぞれのトラックから明確に伝わってきます。Technoというジャンルをはるかに超えて、メロディーやハーモニーやリズムという音楽の構造をも超越する、強い精神性を持った真の音楽。いったい音楽とは何なのか。何のためのものなのか。Mike Banksの答えが、これです。
fujiwaraは新曲の”mama’s basement”でsaxを吹いています。2003年の12月にDetroitへ行き、デモ製作気分で吹いたトラックがこんなところに!自分の演奏に満足できなかった私でしたが、「音楽は技術ではない」の一言に吹き飛ばされてしまいました。
“mama’s basement”のタイトルは彼等の母親が提供してくれた音楽製作用の地下室のこと。我々がミュージシャンとして活動できるようになるまで、あらゆるサポートをしてくれた母親に対するトリビュートです。ちなみに内ジャケットに使用されている写真にはURが産声をあげたMills家のbasementも。
テクノというジャンルやシンセという楽器やCDというフォーマットということにとらわれず、音楽の背後にあるMike Banksのスピリットを感じ取って下さい。
D
independent 1997
fujiwara,daisuke / tenor,soprano sax
miyamoto,takana / piano
toriyama,takeaki / drums
craig snyder / voice
sea of memoly / VA
2001
memoly-lab (MLAL-0004)
dice-K / sax,electronics
1st / small talk
2002
independent
dice-K / sax
fresh! / VA
2003
blue-note (TOCP-67211)
phat feat. pharcyde
「鳥籠の中」/ takamiya,maki
2003
toshiba-EMI
feat. phat